スプレッドシートを使う その1
今日の演習内容
スプレッドシートとは?
スプレッドシート(spreadsheet、「広げた一枚の紙」というような意味?)は、
見かけは縦横に罫線が引いてある文房具店で売っている集計表のようなもの。
機能としては集計表をコンピュータソフトウェアに組み込んで、
人がやっていた計算を自動的にやってくれるもの。
また入力したデータの並べ変え、検索、グラフ化など、
データベース管理的な機能も持っている。
スプレッドシートを眺める
- まずスプレッドシートの例 example1.csv
を見てみる。
新たに spread というディレクトリーを作りその中に保存する
(リンクを右クリックし保存)。
ここで、保存したファイルはCSV形式
(comma separated value、
カンマで区切った数値の意味)のファイルで、
多くのソフトウェアがサポートしている
(中身は単純なテキストなので gEdit などで開いて一度見ておくと良い)。
- Applix スプレッドシートを起動する。
「メインメニュー」の「センターメニュー」「アプリケーション」
「Applixware オフィススイート」「Applix スプレッドシート」をクリックする。
あるいは「メインメニュー」の「センターメニュー」「アプリケーション」
「Applixware オフィススイート」「Applix メインメニュー」をクリックし、
現われたウィンドウの左から3番目ボタンをクリック。
- 「ファイル」プルダウンメニューで「外部読込」
をクリック。
先程保存したファイルを選択する。
ファイル形式として CSV をクリックで選択し「オープン」
ボタンをクリック。
- 開いたファイルは、上で述べたように縦横に罫線が引かれており、
罫線で囲まれた枠の中には数値や文字が書き込まれている。
これ全体をシート(sheet)と呼ぶ。
- シートの一番左には数字が1から順に付いている。
この数字で行を指定できる。
また、数字をクリックすると行全体が選択され、
何かの操作を行なう対象として指定される(操作については後述)。
マウスボタンを押しながらポインターを縦に移動させ、マウスボタンを離すと、
連続する複数行を選択できる。
- 数字と数字の間の境界でマウスボタンを押しポインターを上下し、
マウスボタンを離すと、
行全体に対して枠の高さを変更できる。
これにより、シートが見易いように体裁を整えることが出来、
シート自体を綺麗に印刷したい場合などに便利。
- シートの一番上にはアルファベットがAから順に付いており、
このアルファベットで列を指定できる。
マウス操作で、列の選択、
列の幅変更が出来るのは、先の左端の数字と同様。
- シートの中の枠1つ1つをセルと呼ぶ。
マウスボタンのクリックで、
1つのセルを選択できる。
また、マウスボタンを押した状態でポインターを移動し、
マウスボタンを離すと、
複数のセルを選択できる(例えば3×4のセル)。
- シートの数字とアルファベットの並びの交点(シートの左上角)
をクリックするとシート全体を選択できる。
この状態での各種操作はシート全体に影響する。
- シート全体の上にはアルファベットの書いた出っぱり
(このようなものをタグと呼ぶ)がある。
1つ1つのタグは1枚のシートに対応しており、
タグをクリックするとタグに対応するシートが表示される。
今使っているソフトウェアでは複数枚のシートを同時に使うことが出来るが、
この授業では1枚のシートの使用のみ扱う。
簡単なデータ操作とデータの可視化
今見ている例 example-1.csv
は生徒それぞれの各科目の成績のような体裁をしている。
これを用いて簡単なデータの操作とデータの可視化(グラフ化)を行なってみる。
簡単な操作
- まずデータの追加を行なってみる。
数学と物理の成績の間に化学の成績を入れよう。
シートの上端のアルファベット「C」を選択し、
「挿入」プルダウンメニューの
「列」をクリックし、確認ウィンドウで「了解」
ボタンをクリックすると列が追加される。
追加された列の一番上のセルに「化学」と書き、
みんなの成績を入れてみよう(適当に)。
- 「F男」君の成績を入れ忘れていたので、
左端数字の適当なものをクリックして行を選択する。
「挿入」プルダウンメニューの
「行」をクリックし、
「了解」ボタンをクリックすると行が追加される。
追加された行の左端のセルに「F男」と書き、
「F男」君の成績を入力する(適当に)。
- 次にデータの移動をやってみる。
操作としては「物理」と「化学」の順番を入れ替える。
まず「物理」の行き先を作るために列を1つ作る
(C列を選択して列を挿入)。
物理のデータ全体のセルを選択(E1からE14まで)し、
「編集」プルダウンメニューの
「切り取り」をクリック。
この段階では物理のデータ全体は消えていない。
- C1のセルをクリックし選択する。
この状態で「編集」プルダウンメニューの
「貼り付け」
をクリックすると、物理のデータが列Cに移動する。
列Eは空になったはずなので、列Eを選択し
「編集」プルダウンメニューの
「削除」「列」
をクリックし消去する。
- 次はデータの順序の入れ替え(ソート)を行なってみる。
データを見ると名前の順がバラバラなので、これを順に並べ替える。
データ全体を選択し(列1は除く、従ってA2からF14まで)
プルダウンメニュー「ツール」の
「並べ替え」を選ぶ。
1次キーで並びの順を決める列が指定できるので、
Aと入力する。
これで名前(A列)を見て順に並べることになる。
「確認」ボタンをクリックすると順が入れ替わる。
可視化(グラフ化)
- 今見ているデータをグラフ化することにする。
グラフ化したいデータを選択する。
ここでは、名前のデータと数学の成績のデータを選択する
(A1からB14を選択)。
- 選択し終ったらグラフのボタン
(中央付近「棒グラフ」のアイコン)
をクリックする。
クリックするとポインターの形が小さな棒グラフの形になる。
このポインターで、シート中の適当な点でマウスボタンを押し、
そのままポインターを移動すると、
長方形の領域が指定できるのでマウスボタンを離す。
この長方形がグラフを作図する領域となる
(必要なら後でグラフサイズは変更できる)。
- 最初に作図データの領域確認をしてくる。
領域は正しいはずなので「次へ」をクリック。
このように順に従って操作の詳細を決めてゆくものを一般に
「ウィザード」と呼ぶ。
- 次にどのタイプのグラフを描くかを聞いてくるので、
「棒グラフ」を選択する(クリックする)。
選択できたら「次へ」をクリック。
- それ以降は「色々な棒グラフの選択」「軸の名前」「グラフのタイトル」
などを聞いてくるので、必要なら設定を行ないどんどん「次へ」
をクリックしてゆく
(前の設定に戻りたいときは「戻る」をクリック)。
大抵は設定変更は余り必要無いので「次へ」
をクリックするだけで良い場合が多い。
最後に「了解」するとグラフが作成される。
あまり細かい設定をしたくないのであれば途中で「了解」
ボタンをクリックすれば、設定を省略してグラフが作図できる。
- グラフをクリックするとグラフの周辺8ヶ所に黒四角のマークが出る。
これをドラッグするとグラフの大きさを変更できる。
- なお、最初に「名前」「数学」「物理」
の3つのデータを選択すれば(A1からC14)、
「数学」と「物理」のデータがグラフになる。
- また「名前」と「物理」のように離れた列をグラフ化したい場合は、
最初に「名前」のデータを選択(A1からA14を選択)した後、
キーボードの CTRL キーを押しながら「物理」のデータを選択
(C1からC14を選択)すればよい。
- グラフのもう一つの例として example2.csv
を使い「円グラフ」を描いてみること。
- なお出来たグラフが気に入らなくて消したいときは、
「編集」プルダウンメニュー
「削除」
「オブジェクト」をクリック。
消したいグラフに対応するオブジェクトを選択して「了解」をクリック。
絵や関数を含むシートの保存
データを使って描かれたグラフを含んだり、
シートの中のセルが後述する関数を含むるようなシートは、
Applix スプレッドシート固有のファイル形式でしか保存できない。
保存の方法は、新規のシートを最初から作った場合は
「ファイル」
プルダウンメニューで「保存」、
CSV形式のファイルを読み込んで加工した場合には
「ファイル」
プルダウンメニューで「名前を付けて保存」
をクリックし、ファイル名を付けて保存すれば良い。
この形式のファイルは最後に .as が付く
(多分 Applix Spreadsheet の頭文字)。
表計算
これまでは単純な数値データを操作していただけだが、
表計算の機能を使って演算を試みる。
平均点の計算
- 先の example1.csv を使い(上の修正を加えたものとする)
表計算の例を見る。
- まず各科目の平均点を計算してみる。
セルB16を選択しキーボードから
=sum(b2..b14)/13
と入力し Enter キーを打つ。
最初の「=」は、
このセルの値を「=」の後に書く数式にせよという意味。
「sum()」というのは和をとる関数。
関数の引数はセルの名前で、一続きのセルの領域を指定するのは
「(初めのセル)..(終りのセル)」
の様に書く。
ここでは「b2..b14」
となっているのでB2からB14の一続きのセルを指定している。
最後に平均をとるためにデータの数13で割っている。
- 他の科目の平均点も出したいのだが、これはセルB16を選択し、
「編集」プルダウンメニューの
「コピー」をクリックし、
次にセルC16を選択した状態で「編集」
プルダウンメニューの「貼り付け」をクリック。
C16のセルの値を見て分かるように、
この際のコピー操作は単純なコピーでは無い。
上に打ち込んだ関数などが自動的に
=sum(c2..c14)/13
と変化している。
これは元のセルの位置から見てコピー先のセルが、
1列分だけ横方向にずれたので、
列の値が b → c と変化した。
2 と 14 についてはセル間の行のずれが無いので変化しない。
- 同様に他の科目の平均点を出すには、
セルの領域D16からF16を選択し「編集」
プルダウンメニューの「貼り付け」
をクリックすると、3つの科目の平均点が一度で計算できる。
このように複数のセルに一度に数値あるいは計算式を貼り付ける事も可能。
この際に「コピー」の操作が必要無かったのは、
既に一度「コピー」をしているから。
最も最近に行なった「コピー」が保存されている。
関数の利用1
関数の利用2
- 次に少し違った関数として IF を使ってみる
- セル g2 に以下のように書き込んでエンターキーを打つ。
=IF(b2>c2,"数学が得意","物理が得意")
ここで「=」、「b2>c2」、「"」、「(」、「)」
などは半角文字なので注意するように。
- この関数の意味は、最初に書いてある条件式「b2>c2」
で先ず判定を行なう。
今の場合 b2 が数学の成績、c2 が物理の成績になっているので、
その大小を判定している。
- もしこの判定が「真」
の場合には2番目に書いてある値(数学が得意)
がこのセルの値として用いられる。
また「偽」
の場合には3番目に書いてある値(物理が得意)が用いられる。
上の例のように、値として文字列を用いるときには、文字列を「"」で囲むと良い。
値が数字の場合はこのような囲みは必要無い。
- このように条件によってセルの値を変えたい場合に IF 関数が使用できる。
- IF 関数に出てくる2番目3番目の値は、文字列、数字の他にも、
計算式あるいは関数であっても良い。
例えば以下のような例も可能。
=IF(b2>c2,"数学が得意",IF(b2=c2,"どっちもどっち","物理が得意"))
この例では IF 関数の3番目の値が、更に IF 関数となっている。
これ以外にも色々な関数が用意されているので使ってみると良い。