まずテーブルを使った LaTeX ファイルの例 table.tex を、 前回作った tex というディレクトリーに保存し(リンクをクリック)、 コンパイルを行ない表示してみる。
まず例を見るcd tex latex table latex table xdvi -s 4 table
\begin{tabular}{lcl} \hline
上の変更の中で「l」は縦棒ではなくて
「エル」なので注意すること。
latex table xdvi -s 4 table少しテーブルがすっきりしたはず。
\begin{tabular}{lcl} \hline animal & weight & comments \\ \hline cat & 1 & light \\ tiger & 100 & \\ elephant & 1000 & heavy \\ \hline \end{tabular}\hline を2個取り除いた。 コンパイルして xdvi で見る。
\begin{center} \begin{tabular}{lcl} \hline animal & weight & comments \\ \hline cat & 1 & light \\ tiger & 100 & \\ elephant & 1000 & heavy \\ \hline \end{tabular} \end{center}つまり、テーブル全体を囲めば良い(簡単)。 コンパイルして xdvi で見てみる。
かなり長い table.tex の説明になったが理解できただろうか。
今度は図の入れ方を見てみる。 LaTeX ファイルの例 figure.tex をとってきて(リンクをクリック) tex ディレクトリーに保存しコンパイルする。
例を見るlatex figure latex figure xdvi -s 4 figure
%!PS
%
%%BoundingBox: 10 20 400 600
%
この例で分かるように BoundingBox のパラメータを書いている行は %
で始まっている。
従って EPS ファイルをポストスクリプトファイルの一種だと思って絵を描く際にはこの行は無視される。
しかし、EPS ファイルを使用するプログラムの場合には、
このこのパラメータは絵が描かれている領域の左端
(例の 10 の値)、下端(20 の値)、
右端(400 の値)、上端
(600 の値)と理解される。
ps2epsi my.psこのコマンドを打つと my.epsi というファイルが新たに出来る。
\documentstyle[12pt]{artcle}
\input epsf
\input コマンドを使いそのパラメータとして epsf と書いた。
これで EPS ファイルの張り付け機能を使うことを宣言している
(厳密にはこのような拡張機能のためのスタイルファイル読み込みを指示している)。
\begin{figure}
\epsfxsize=6cm\epsfbox{my.epsi}
\caption{This is a space for figure created by \LaTeX.}
\label{ABC}
\end{figure}
ここで出てきた \epsxsize
コマンドは絵を張り込んだ際の、
絵の大きさを指定している。
xsize なので絵の横幅を、例では 6cm にするように指定している。
この他に絵の縦サイズを指定する \epsfysize
というコマンドもある。
\begin{figure} \begin{center} \epsfxsize=6cm\epsfbox{my.epsi} \end{center} \caption{This is a space for figure created by \LaTeX.} \label{ABC} \end{figure}
図の挿入がうまくできただろうか。
この授業の受講者は物理学科の学生なので、 LaTeX を利用してレポートなどを書く場合には数式が必需品だろう。 そこで LaTeX ファイルに数式を書き込む方法を学習する。 まずは例 equation.tex を取ってきて (リンクをクリック)コンパイルする。
例を見るlatex equation xdvi -s 4 equation見て分かるように数式が4行入っている。
文字を修飾するコマンドとしては、例えば \hat{a}、 \bar{a}、\vec{a}、 \dot{a}、\ddot{a} などがある。 この例では a という文字の上に、「山形を付ける」、「バーを付ける」、 「矢印を付ける」(ベクトルの表示)、「点を一つ打つ」(時間微分など)、 「点を二つ打つ」(時間二階微分など)という効果を生む。 もちろん修飾される文字は a 以外でも構わない。
これまで出てきた以外にも数式中で記号などを書くためのコマンドが多数あるので、 その一部を以下にまとめておく。
LaTeX コマンド | 表示される記号 |
---|---|
\pm | ± |
\times | × |
\div | ÷ |
\ast | * |
\cdot | ・ |
\bigcirc | ○(小さい丸は \circ) |
\dagger | †(ダガーマーク) |
\ddagger | ‡(ダブルダガーマーク) |
\leq | ≦(実際は等号が1本線) |
\geq | ≧(実際は等号が1本線) |
\ll | ≪ |
\gg | ≫ |
\sim | 〜 |
\neq | ≠ |
\equiv | ≡ |
\propto | ∝ |
\perp | ⊥ |
\ldots | ...(中段に点を打つ場合は \cdots) |
\leftarrow | ← |
\rightarrow | → |
\Rightarrow | ⇒(最初大文字で二重線となる) |
\uparrow | ↑ |
\infty | ∞ |
\hbar | (プランク定数/2πの記号) |
\flat | ♭ |
\sharp | ♯ |
\spadesuit | (スペードマーク) |
\heartsuit | (ハートマーク) |
これらの記号は数式の中でしか使えないので、\[ と \] のペア、 2つの $ あるいは \( と \) のペアで囲まないと、 latex や jlatex コマンドでコンパイルする際にエラーとなる。
上に挙げたコマンドの例は、代わりに日本語の記号入力で入力することも可能だが、 その場合には日本語対応の jlatex コマンドでコンパイルする必要がある。 それに対して、上の LaTeX コマンドを使った場合は、元々の LaTeX の仕様に含まれるので、latex コマンドでコンパイルでき、 世界中どこでも表示可能である。